全州へ行こうよ!韓国の全羅北道(チョルラブクド)・全州市(チョンジュシ)の旅行情報をご案内。韓国を代表する食の都、全州・全羅北道の見どころ、グルメ、交通・宿泊情報などをご紹介します。

全州のヨンス君が連れて行ってくれたのはバスで1時間半ほどの港町「群山(クンサン)」だった。ちょっと高級なイメージがある刺身のフルコースをお腹いっぱい食べてやろうと出かけたが…

 

朝だったらこのあたりも大変な賑わいなのだろう。
すでに陽も落ちて、煌々と光を放っているのは群山で一番有名な刺身店「群山フェジプ」だけだ。
「フェ」は韓国語の「刺身」で「チプ」は「〜屋」といったニュアンスだから「群山刺身屋」といったところか。

立派な建物にちょっと気後れしそうになりながらも店に入ると制服姿の女性がエレベーターで客席に案内してくれた。

 

岸壁につながれた漁船が錆び付いた船体を波にまかせて揺れている。

 

窓に面したテーブルに座り「ヒラメ(約8千円)」を注文した。値段は日本の韓国式刺身屋とたいして変わらないなぁと内心で思う。

スタッフのお姉さんがワゴンを押して現れ、ドカドカとお皿を並べ始めた。これらは「パンチャン」といって注文品にセットされたお総菜だ。

 

外からガラス越しにのぞいた魚の水槽は室内プールのようにだだっ広く、まるで活け魚センターと呼ぶ方がふさわしい光景だった。

 

定番のホヤ刺身、コーンバターはもちろん、焼き魚、巻き貝の茹でたの、天ぷら、チヂミ、いかげそ焼き、アサリ汁、サラダなどでテーブルの上はたちまち一杯になった。
メインのヒラメが来るまでの前座ともいうべきお膳が、すでに大変なご馳走づくしで「うーん、すごいねー!」などと感激しつつ食べ始めた。さすがに漁港の刺身屋だけのことはあり、食材は新鮮だった。

だがこんなにたくさんのパンチャンを律儀に味わっていたらメインを摂取する余裕がなくなるのではないか…。

 

大粒のハマグリの刺身は潮の香りがして歯ごたえが良い。口一杯に頬張ってうっとりと味を楽しんだ。鍋ごとだされた「アサリ汁」は塩味でさっぱりしていながら後を引く美味しさ!

 

そんな不安を感じた矢先、先ほどのお姉さんが再びワゴンを押して現れたかと思うと、何も言わず食べかけの料理を空のワゴンに戻し始めたではないか。
「えっ?ちょっと待ってよ。それはあんまりでしょ!」 「あーっ、まだ食べます、食べます」
大慌てで言うと、お姉さんは不思議そうな表情で私の顔をながめ、「フン」といった感じで皿をテーブルに戻すと行ってしまった。
「今の何だったんだろう?けしからんねー」

 

カジキマグロのルイベ(凍らせた刺身)は塩入り胡麻油をつけ韓国海苔にくるんで食べる。こんな食べ方も初めてだが韓国では一般的な食べ方なのだそうな。淡泊なカジキマグロにコクが加わってなかなか旨い。

 

のんきに食事を続ける我々の元に、さっきのお姉さんがまたワゴンを押してやって来た。「いよいよメインのお刺身登場か?」とのぞき込んだ私は思わずのけぞりそうになった。なんとそれはパンチャンの第2弾だった。

 

「アンタが食べるって言うんだもんね、知らないもんね」とばかりに、お姉さんはテーブルに載りきれないお皿を無理に2段重ねにして置いて行ってしまった。
「うーん…これはこれは…」

 

お姉さんが適当な時期を見計らってお皿を下げにきた理由がようやくわかった。大変なことになったなあと思ったが後には引けないのだ。
食べる、食べる…ひたすら食べる。
メインのヒラメが登場したころにはすでにお腹がパンパンであった。

 

値段が新宿コリアタウンとたいして違わない、と思ったのは大きな誤解で、本場の「刺身フルコース」はとてつもなく豪勢なものだった。とにかくたまげた…本場韓国の「群山」における刺身フルコース体験である。

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