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ニョッキリ突き出たふたつの岩山。馬の耳にそっくりな奇妙な形の馬耳山(マイサン)は神秘と奇跡の山として信仰の対象としても知られる。景色を楽しみながらのんびりと歩いてみた。

 

まずは写真を見てほしい。何かに似てはいないだろうか?その名も馬耳山(マイサン)という。バスの窓から初めてこの山を見た時、私は思わず声をあげて笑ってしまった。
「チェミイッグンニョ〜!(面白いですねぇ)」
バスの運ちゃんに声をかけると、私の興奮ぶりがおかしいのか彼も笑っている。周辺に高い山がないせいもあって、ニョッキリ突き出たふたつの岩山は何とも奇妙な雰囲気で目立つ。丸みをおびた方がオス、尖って見えるのがメスの耳だそうな。標高670mの小さな山だが、その奇観で全国的に知られている。

 

馬耳山の全景。ふたつの岩峰は馬の耳にそっくりだ。右がオス、左がメスらしい。


 

「登ってごらん。もっと面白いよ。」と運ちゃんが勧めてくれた。もちろんそのつもりだ。
登山といっても耳の部分には登れない。木も生えないツルツルの水成岩では熟練のクライマーも躊躇するだろう。まして素人の観光客が行けるのは、ふたつの耳にはさまれた位置にある頂きまでである。紅葉を楽しみながら、きれいに整備された階段を上がること十数分、あっけないほど簡単に着いてしまった。登った場所にはベンチが用意された休憩所で、アジュンマ達が騒がしくおしゃべりしていた。

 

馬耳山北部駐車場からの階段は急だ

 

オスの耳は途中まで鉄階段が設けられ、ほんのちょっぴり登った気分が味わえる。一方メスの耳の中腹には「華岩窟」と名付けられた大きな洞窟が掘られていた。

 

中にいる人の「ワオーン、ワオーン」という声の響きにひかれ、私も急な石段を必死に登って洞窟に入ってみた。中にはロウソクが一本灯され、祭壇らしきものがあった。薬水(薬効のある水)が湧き出ているらしい。洞窟の天井はかなり高く、奥には湧き水の痕跡があった。掘ったから水が湧き出たのか、湧き水を求めて掘ったものなのか…奇妙な洞窟である。伝説では、この水を飲むと玉のような男児に恵まれるという。

 

洞窟からオスを見たところ

 

休憩所に戻った私は私は反対側に降りてみることにした。来た時の階段とは違って石だらけの急坂が続き、すれ違う誰しもが苦しげに肩で息をしている。

15分ほど下ると「塔寺(タプサ)」という寺に到着。この寺も今回の旅の目的のひとつだ。オスの耳に寄り添うように建てられた寺の境内には、たくさんの石積みの塔(パゴダ)があることで有名だ。人の背丈ほどのものから15mもあるものまでおよそ80基。これらは1885年頃から30年間にわたって、李甲龍という人が独りコツコツと手で積み上げたものだ。

 


 

彼は15歳の頃、両親の死にあい人生の虚無を感じたのをきっかけに石積みを始めたと言われている。塔は大小の石がうまく組み合わされ、みごとな円錐型を保っている。セメントなどは一切使っていないのに風雪ににもびくともしないというから何とも不思議だ。もともとパゴダは120基以上あったそうだ。3分の2に減ってしまったのは「どれどれ」とばかりに触りたがる観光客の仕業だそうな(トホホ)

 

パワースポット馬耳山の怪現象。つららが逆向きに伸びる(写真はパンフレットから拝借)

 

馬耳山は神秘的な奇跡の山としても有名だ。冬の寒い朝など、寺が祈祷のために用意した水の表面から、天に向かって氷柱が斜めに立ち上がるのを見ることができると言う。私は写真で見たがとても不思議な光景だ。

 

塔寺からさらに下ること30分、ようやく反対側の駐車場に着いた。食堂が立ち並び、店頭ではもうもうと煙をあげながら大ぶりの豚肉の切り身を焼いている。マッコルリ(濁り酒)を飲みながら炭火焼きの豚肉をほおばるのが馬耳山見物の仕上げ、というわけだ。バスをひとつ遅らせようか…」誘惑に負けそうになるが、ひとりではそれも虚しい。

 

私は屋台に立ち寄り、竹筒に入れて売っている熱々の「焼き銀杏(ウネンクイ)」を買った。翡翠色の銀杏は私の大好物だ。ポケットに入れて温もりを楽しみながら曇り空の下をバス停に急いだ。

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